先週金曜、ジンバブエ首相(MDC)ツァンギライと彼の妻が乗った車がトラックにはねられ、ツァンギライは負傷、奥さんは亡くなった。かなり大きな事故だったようで、ツァンギライ夫婦の乗った車は何度も横転し、奥さんはその場でなくなったようである。

事故のニュースを聞いたとき、私は「、、、また暗殺か」と思った。ジンバブエでは政府による反政府要員に対する暗殺がしばしば起こり、特に「軍用トラックではねられて事故死」というケースが多いため、ツァンギライも暗殺事件に巻き込まれたかと思ったのである。しかしこのたびツァンギライ夫婦をはねたトラックは、アメリカとイギリスのエイド(援助)関係の物資を運ぶトラックであったそうで、ZANU-PFによる明らかな暗殺計画には見えない、、、イギリス、アメリカはもちろん、「正当な事故であった」と宣言した。MDCは、ただの事故では無かった、今後も取調べを行うとしていたが、ツァンギライが本日、このたびの事故は正当な事故であったと声明を出したようで、なんとなく「ただの事故であった」ということでおさまるようだ。

しかし、ジンバブエ政府の残虐性、反政府要員の暗殺・暗殺未遂事件の歴史を見ていると、本当はどうだったのであろうと思う。また、大統領ムガベは、どこに移動するにも何台もの警備車・軍用車の護送つき、街中であろうが田舎であろうがどの道も時速80キロ(最低)くらいで飛ばしていく(こうして、路上での暗殺を防いでいるのだろう。すごいお金かかていると思う)のであるが、首相ツァンギライには、ほとんど警備がついていなかったのだろうか、などとと思いをめぐらす。

合同政府が樹立したとはいえ、ZANU-PFとMDCの間では、まだまだ衝突が続いている。先日は、ツァンギライ首相が土地改革の見直しをはかると発言した直後に、ムガベ大統領が、土地改革・土地強制徴収は今後も続くのだと発言し、合同政府内での相互同意が全くなされていないことが明らかになっている。

今回はアメリカ・イギリス関係のトラックがツァンギライを跳ねたということで、2国ともいまいち暗殺事件取調べに積極的ではなかったろうし、だから意外と、早く事件もまるく解決されたのではないかともおもう。なんでそんなに暗殺を疑るの?とおもわれるかもしれないが、これはジンバブエとかその他アフリカ諸国でしばらく暮らしてみないと、分らないかもしれない。アフリカでは暗殺が常に多いから、疑うのである。どこの国で首相がトラックにはねられる?、、、暗殺がしばしば起きるジンバブエ、そしてそれらの事件はいつもなんとなくあやふやに、今回のように解決されてしまうのである。ツァンギライは今までに暗殺未遂にあっているし、相当の覚悟はできているだろうが、今回の事件がどんな背景をもっていたとしても、ジンバブエ復興のための奮闘中に奥さんを先に亡くしたことは、自分が殺されるよりもつらいことだったのではないだろうか。

先週末にトラック事故に巻き込まれ、奥さんを亡くしたジンバブエ・ツァンギライ首相。(写真 NewZimbabwe.com)

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5 Comments for this entry

  • joco より:

    お久しぶりです。ずっと読んでばかりいました。

    タイトルを見てびっくり、記事を見てびっくり…。

    前に「ジンバブエでは政府による反政府要員に対する暗殺がしばしば起こり、特に「軍用トラックではねられて事故死というケースが多い」と書いてあったのを見て覚えていたので、私も暗殺なのかと…。

    奥さんが亡くなってしまったなんて、ツァンギライさんかわいそう…。
    とても辛いでしょうね。

    先日読売オンラインかなにかの記事で、ムガベ大統領が、2400万かけてパーティーしたって記事が載っていて、なんだかため息が出ました。

  • Ayumi より:

    jocoさんコメントありがとうございます。

    ツァンギライ氏の奥さんのお葬式(都市部教会での集会)にムガベ氏が出席して追悼の意を表したという記事が出ていて、まあ一般的な追悼の意を表しているのですが、過去に暗殺された人たちのお葬式でも同じようなことを言っていたので、シラケテしまいました。今回は実際にムガベ政権がかかわったかどうか、まだ分っていないわけですが、過去の暗殺容疑があるので、事情を知っている人たちは「またか」と思ってるんではないでしょうか。

    そうそう、ムガベはまたえらいお金をかけて誕生パーティをしました。南アフリカでもかなり非難の的になったパーティですが、現在国民の多くが食糧援助を必要としているというときなのに、、、こんなムガベ氏をアフリカ諸国が擁護する点、「こんな大統領」がたくさんアフリカにいることを裏づけて、アフリカで生まれ、暮らすことの複雑さ、タイヘンさがお分かりいただけるでしょうか、、、。

  • joco より:

    そうですね、ひとことでは言えないですが、あえて言うと、アフリカ諸国はとても複雑だな、と思っています。
    アルジェリア人の友人がいるのですが、彼はヨーロッパで高等教育をうけることがたまたま出来て、ヨーロッパで仕事をしています。
    でも祖国に帰る気はないと言っていました。
    アルジェリアのこと、アフリカのこと、彼から私にとっては大変貴重な、アフリカへの意見を聞いています。
    それを聞いて、複雑だなと思いました。
    エネルギー資源、自然がとても豊かで美しいアフリカ、だからこそさらに複雑になっているアフリカ…

    私には分からないことだらけですが、もっと知りたいことがたくさんあります。

    的を得ない感想ですいません。

  • Ayumi より:

    アフリカ人は幾種類かに分かれるなーと思います。一旦外国へ出ると、アフリカがタイヘンさに気づき(気づいているから外国へ出たのですが、、、)、もうもどってこない人、アフリカが大好きでやっぱりもどってくる人、アフリカは貧困のイメージがあるけれど、ビジネスで成功すれば「かなり」金持ちになれるので、アフリカが一番さというわけで、決してアフリカを離れない人。決してアフリカを離れない人には結構白人アフリカ人が多くいますネ。経済的な成功(もちろん自営業)をアフリカで経験した人たちは、先進国で地道に働けないワケです。

    アフリカにいると、海外に住むアフリカ人は、どうアフリカを捉えているのかなーと興味深いですね。

  • joco より:

    貧富の差が激しい地域での、経済的な成功と言うのは、大変なお金持ちになれるということなのかと思うんですが、そうですか?

    私のその友人は研究職についています。
    アルジェリアだと、研究開発や大学というシステムに人々が興味を示さないのだと言っていました。
    彼はアルジェリアがとても好きみたいですが、やはり自分のしたい仕事を続けられるヨーロッパで暮らしていくようです。

    アルジェリアはとても美しい所だって言っていました。奇麗な景色が見れるんだって。きっと、大学や研究開発というシステムが国にあったら、彼は帰って就職したんではないかなーと、私は予想しています。

    ただ、アフリカの石油や鉱山やダイアモンドを先進国が欲しいが為に、それをさせてくれる独裁政権の存在を敢えて許しているんだろう、とも言ってましたね。でも彼は友達もいて仕事して今住んでる、ヨーロッパも好きみたいです。

    う〜ん???^^

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