ミネラルというと、日本ではミネラル・ウォーターを思い浮かぶかもしれないが、アフリカでは、ミネラルといえば『鉱物』である。アフリカというと、貧困、飢え、内戦のイメージが強いが、実は鉱物や石油といった資源が多い、資源大陸、リッチな大陸である。南部アフリカのなかでもっとも「ミネラル」っぽい国民は、特にコンゴ(DRC)やアンゴラの住民。この2カ国の住民にあうと、たいへんしばしば(ほぼ確実に)「ダイアモンド買わない?」とか、「鉄鉱石を輸出している」とか、ミネラルの話が出る。国民全体が、なんとなくミネラルの取引にかかわりたがっているのが分る。コンゴなどはたいへんミネラルが豊富で、取引を成立させればものすごく儲かるから、ものすごくお金持ちなコンゴ人はいっぱいいる。ただし、取引するのにはコネや賄賂が関係するから、全てのミネラル・リッチ志望のコンゴ人が成功するわけではない。政情と国内商業環境が「無法状態」のコンゴでは、普通に取引しようとしても無理。だから、一般住民はこういった取引にかかわったり成功することなく、貧しい生活を送っているうえ、鉱物争いの戦争に巻き込まれて死んだり、暴行をうけたり、レイプされたり、といった状況であるのが現在のコンゴの戦争である(現在の戦争は、民族争いもかかわっている。日本ではあまり報道されていないようだけど、欧米では大きく取り上げられている)。 貧困の大陸アフリカで、ミネラル・リッチがどれくらいリッチかと言うと、先進国のリッチと十分張り合うか、それよりリッチだと思う。無法状態な地域では、資産申告などはっきりしないため、みんなどれくらいリッチか分らない。また、銀行もしっかり機能していない地域も多いから、コンゴなどは現金主義である。家も、車も、みんな現金で買う。ローンは存在しない。南アフリカではローンで物を豊かに所持する人々が多いけれど、コンゴでは、所持している物はみんな現金で買ったのである、と思うと、まあお金をたくさん持ってること!とびっくりするくらい、高価な服や車を持っている。私の夫の親戚は、ギリシャ人移民としてコンゴでミネラル交易をしているが、彼も30代にして、まあまあリッチである。先回彼がヨハネスブルクに来たときには、一泊数万円するホテルに(一泊の宿泊費が、私たちのアパートの一か月分の家賃だった)1週間以上とまってゆうゆうとしていた。こうして、たまに南アフリカで「頭のネジをはずしてリラックスしないと、コンゴの商業・生活環境はすごいから」と言ったものである。夫も以前は、他の多くのアフリカ人と同じくコンゴのミネラル交易に興味を持っていたが、この親戚から話を聞いて、想像以上にすさまじい(無法地帯、、、だからね)のを知って、頭を振っていた。 これはレソトで発見されたダイアモンド原石からカットされたLesotho Promise Number One。 この原石は、世界で15番目に大きいダイアモンド原石とのこと。(写真Day Life.com) ほんとうに、ミネラルと言うのは、アフリカ人には身近な話題で、チャンスさえあれば誰しも飛びつくのがミネラルである。と思っていたら、先日ジンバブエに一時帰国していたジンバブエ人の知人が、ダイアモンドの原石を持って返ってきた。彼のおじさんが、ジンバブエにダイアモンド採掘権をもっているのである。採掘権など、誰もがもてるものではない。現在のジンバブエでは、政府高官か、政府との強いコネを持った人物でないとダイアモンド採掘はできない。知人の父は、ZANU-PF党の高官(元上院議員)なのである。ダイアモンドを南アで売りたいと思った知人とそのおじさんが、夫にダイアモンド買取人をしらないかと尋ね、夫が知り合いに尋ねて買取人と引き合わせてあげたダイアモンド取引なんて、こんな風に、素朴に行われるのか知らん?と思いながら、帰宅した夫にどうだった?と尋ねると、彼らはダイアモンド・センターという所に出かけたらしい。ここには、売人と買取人が集まり、ダイアモンド取引が行われる。センターには、ジンバブエの田舎から真っ直ぐやってきたようなおばちゃんやお兄さんたちが、お腹の腹巻に隠していたダイアモンドの原石を取り出し、買取人がそれをテストし、値段をつけて、その場で現金が支払われるのである。「あんなおばちゃん、南アではみんな鼻にもかけないで見ているだろうけど、すごーいお札の束を抱えて帰っていったよ。ジンバブエでは、ランド・クルーザーに乗って、ボロデール(高級住宅街)に住んでるんだよ、きっと」と夫は感心したようす。で、知人のダイアモンドは売れたの?と尋ねると、買取人が示した額があまりにも低いので、取引はなかったよという。知人はいくらで売りたいわけ?というと、~くらいだと夫が言う。買取人はいくら提案したの?というと、~くらいと夫がこたえる。しかし、そもそも、あなたたち、そのダイアモンドがいくらくらいの価値があるか、知ってるの?とたずねると、夫がこたえて「、、、そうだねえ、そういえば、僕ら全員(夫、知人、知人のおじさん)、実はいくらくらいか分らないんだよね」 、、、、、、、、 あんたたち、いくらなんでも呑気すぎ。だいたいの値段を知らずして、買取人が提示した買取額が低いか高いか、どうやってわかるっていうの、、、This is Africa、、、コメディみたいなダイアモンド取引も、アフリカでは行われていますよー。
つづきを読む