W杯に向けて南アフリカ全国でスタジアム新改築が着々と進んでいる。世界中から『間に合うのか?南アフリカ?』という目で見られがちだが、何とか間に合わせるために、工事は土曜日曜関係なく、連日遅くまで続けられている。南アフリカでは、金曜の午後から週末休暇に入る企業も少なくなく、残業も避けたがる住民が多いから、週末勤務、残業ありの建設現場労働者の働きぶりをみていると、政府もよほど急いでいるんだろうな、、、と思う。
こんなにがんばってW杯の成功の為に働く労働者たちは、しばしば賃上げストライキで仕事を一時停止し、政府やW杯関係者の頭痛の種になっているが、実際労働者の給与がたいへん低いので、ストをせずにはいられないだろうと思う。ある労働者の2週間の給与は1200ラント、つまり月2400ラント(US$300)。物価が日本と同じくらいといってもよい南アフリカである(最近 南アフリカにやって来る日本の方々に出逢うと、みなさん物価の高さに目を丸くされている)。この給与をもらっている労働者は、6人の子供と妻(無職)に仕送りするために、朝4時半に起き、ヨハネスブルグ市のサッカーシティ(W杯で開幕、閉幕マッチが行われるスタジアム)での仕事にでかけるという。仕事は朝7時から始まり、夜中の2時まで続けられることもあるという。期限内にスタジアムを完成させる為である(情報: Mail&Guardian, 16 July 2009)。
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サッカーシティ。ヨハネスブルグ市。開幕戦と最終戦が開催される。
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サッカーシティ工事現場の賄い場
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サッカーシティ工事現場の賄い場. 果物を売るテーブル.
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サッカーシティ工事現場の賄い場
写真: さくらだ
何故このような激務にも大勢が身を投じ、低い賃金に甘んじる(ストは度々起こるが、結局10数%の賃上げにとどまり、あまり賃金は変わらない、、、)のかというと、南アフリカに仕事が無く、失業率が高いからである。工事現場の労働者のみならず、ガーデニング会社の労働者(庭仕事をする労働者)とか、スーパーマーケットで働く人達とか、多くの住民の給与がたいへん低い。私が住んでいる住宅地の庭仕事労働者の月給は1700ラント/月くらいだそうだ。さらにこれから500ラントくらいが交通費で消える。残りはUS$200にも満たない。我家では大人2人と子供1人の食費、生活雑貨費が月3000ラントを超える(これでも結構切り詰めている)から、南アフリカの低賃金労働者がどれほどの苦境にあるかお分かり頂けるだろうか。私の住宅地の庭仕事職員たちは、ゴミ出しの日になると必ずゴミをあさっている。
恥ずかしそうにするでもなく、普通にしている。口をしばった台所から出たゴミ袋もしっかりあける。なんだかイヤだなあと夫に言うと、夫は彼らの月給を彼らから聞いて、あさるのを止めなさいと言いにくくなったと言った。
早朝から夜中まで、激務と低賃金でワールドカップのスタジアムの建設に参加する労働者たち。こんな激務に投じる彼らは、スタジアム建設終了後、仕事はあるのだろうか?と思う。世界不況の影響を受ける南アフリカだが、W杯準備で現在まだまだ建築関連の仕事は比較的活気づいているのである。でも、この後は?報道によれば、8万人の労働者が5つのスタジアムでストに参加し、作業を中断したと
いうことだ。不満は、年収690万ラント(US860.000)を得るCEOら、マネージメント側にも向けられている。
いずれにせよ、今スタジアム建設にあたっている労働者たちは、W杯チケットは高くて購入できないだろうと思う。建設労働者の現状をおもうと、”W杯で盛り上がる南アフリカ”という言葉がむなしく響く。